内部告発を発端に不正が明るみに出てから4カ月。豚肉などを混ぜた「牛ミンチ」を製造・販売していたとしてミートホープ社長の田中稔容疑者(69)らが24日朝、逮捕された。発覚直後に偽装を認めていた社長は「早く楽になりたい」と漏らしていたという。その後も食品業界では告発が相次ぎ、偽装が次々と表面化している。 北海道苫小牧市の田中社長宅には、早朝から約50人の報道陣が詰めかけた。ミートホープ本社に近い、3階建てだ。 午前8時、田中社長自ら2階の玄関のドアを開け、到着した捜査員を招き入れた。それから25分後、逮捕された田中社長は、グレーのスラックスにチェック柄のセーター姿で、19段ある階段をゆっくりと下りた。一言も発しないまま捜査車両に乗り込んだ。 事件の発覚は、ミートホープの元幹部からの情報提供が発端だった。 この元幹部は「勤めていた会社の実情を告発するのは勇気がいった。自分たちの生活も、ほかの人たちの生活もかかっているのだから......」と振り返る。「でも、腹をくくった。田中社長らは、食中毒菌が検出された肉を平然と学校給食に納入していた。子どもたちまで不正な金もうけの道具にするのは、がまんできなかった」 そして迎えた、社長らの逮捕は、地鶏や和菓子の偽装が問題になっているさなかだった。 「私も過去に目をつぶってきた責任がある。社員がもっと会社の不正を告発しやすくなる体制を、行政が考えてくれないだろうか」 会社は、事件が明るみに出た直後から業務停止の状態になった。冷凍庫には返品された肉が積まれ、約6億7000万円の負債を抱えて7月に自己破産の手続きに入った。 破産管財人の弁護士によると、同社が抱えた肉は約270トン。動物園の餌として引き取ってもらおうとしたが「動物が味に慣れると困る」と断られ、結局すべてを堆肥(たいひ)にして処分した。 田中社長は、自己破産手続きに入った頃から表に姿を現さなくなった。親族によると、自宅で息をひそめるように過ごしていたという。周囲には「早く楽になりたい」と漏らしていたという。 今年9月7日、田中社長は札幌市の北海道農政事務所に呼ばれ、一連の不正について農水省から「厳重注意」を受けた。久々に記者に囲まれ、今後について「肉の見分け方など、私の長い食肉経験を生かすことができるボランティアなどをしたい」と語った。 そんな姿に、親族は「早く罪を償ってほしい。そして静かな余生を送ってほしい」と話す。 しかし、取引業者は憤りをあらわにする。「店頭から商品を回収した上に在庫も出荷できず、数千万円の損害が出た。自己破産したところで、どれほどこちらの補償に回ってくるのか」「大変なイメージダウンで、コロッケ自体が売れなくなった。実害以上に、業界の損害は計り知れない」
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